5.9

映画一作品見た。

 

ホウ・シャオシェン監督『恋恋風塵』ずっと見たかった作品だったけど、なかなか機会がなかった。Amazonプライムで見れると知って早速見た。

素晴らしい作品だった。と言いたいところだけど、まだまだ私の想像力が足りないんだなと、実感させられた。私にはこの頃の台湾の社会情勢とか若者たちが置かれた境遇とか、知らないことが多すぎる。そういうことを知らずに、なんとなく表面だけを撫でて「静かで美しい映画だった」というのは、自分にとってはとても嫌なことのように思えた。なので、これから、そういうことをちゃんと知ってから、また機会をみて鑑賞したいと思った。

 

石牟礼道子『おえん遊行』読了。

 

石牟礼さんの作品の中ではかなり、怒涛の展開の作品だと思った。コロナの世を生きている身としては、疱疹の感染者を生きながらに舟に乗せて島から漂流させる場面はいたたまれなかった。「生精霊様」というらしい。キリスタンの描写やストーリー展開など「なるほど、ここから『春の城』に繋がるのか」と納得した作品だった。

 

川崎彰彦『くぬぎ丘雑記』読み始める。少し読んだだけだけど、素晴らしいエッセイだというのがすぐ分かる。晩年の詩人の美しい筆致。天野忠『春の帽子』を思い出す。